ノコギリクワガタは、完全変態をして成虫になります。
森では?
ノコギリクワガタのライフサイクル
飼育下でも自然界でも、かなり成長にばらつきがあるようです。(飼育下は、常温飼育の場合。)
成長のばらつき |
通常は、3齡幼虫で越冬しますが、10月下旬以降に生まれた卵は、卵で越冬したり、初齡2齡幼虫で越冬したりとかなりばらつきがあります。
代表的な例をあげてみましたが、この他のパターンもあります。 表のように、なかには一生のうちに3回も冬を越す個体がいます。かなり長いですね。 |
幼虫期間 |
幼虫期間の長い個体は、比較的大型に。
又、短い個体は、小型になる傾向があります。
気温の変化にかなり、左右されます。 |
休眠 |
休眠については、特にノコギリクワガタ、ミヤマクワガタだけに見られるものでは、ありません。
オオクワガタ、コクワガタ、ヒラタクワガタなどでも秋に羽化した個体は、そのまま休眠状態で越冬に入ることがあります。
ただ、ノコギリクワガタ、ミヤマクワガタは、成虫寿命の短さから、ほぼ確実に休眠から越冬に入り、次の年に一斉に活動開始をはじめる生態をとっている為だと、推測できます。
飼育下では、この休眠をうまく利用して羽化ズレ対策できるときがあります。
休眠期間中は、エサをあげる必要はありません。
ごくまれにですが、1ヶ月程度で活動開始する個体もいるようです。 |
活動開始 |
成虫の活動開始の前には、合図があります。
「おしっこ」です。
個体により、様々ですが、クリーム色の「おしっこ」のときは、よく解ります。茶色のときは、見落としてしまいます。 |
普通に成長した場合のライフサイクル
卵 |
時期;7月〜9月
交尾を済ませた♀は、触覚の鋭い嗅覚で幼虫達が無事育つ場所を探しあて、卵を産みます。
枯れ木の根っ子などです。 |
幼虫 |
時期;7月〜翌年6月
産み付けられた卵は、3週間ほどで孵化します。冬が、来る前に栄養をたっぷり取り、3齡幼虫へと加齢します。大部分の個体は3齡幼虫で越冬します。 |
蛹 |
時期;6月〜7月
3月ごろ目覚めた幼虫は、蛹になる準備をします。
ここからは気温の上昇と共にすこし硬い土部に、移動し蛹室を作り蛹へと脱皮します。 |
成虫 |
時期;6月〜8月から翌年6月〜10月
蛹から羽化までは、約3〜4週間ほどです。羽化した成虫は、蛹室の中で1年間の休眠に入ります。
1年間の休眠を終えると蛹室から出て活動開始します。
活動開始後は、鋭い触覚でエサ場にたどりつきます。
エサ場は、♂同士の戦いの場でもあり、恋の場所でもあります。交尾の済んだ♀は、産卵場所へと飛び立ちます。
♂は、交尾が、♀は、産卵が終わるとまもなく、脚の機能が衰え始めやがて、動けなくなります。
ノコギリクワガタの一生の終わりです。 |
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